2012年6月19日火曜日

絆としてのセックス


 セックスが夫婦の絆として機能するのは、大別して二つのパターンが考えられる。

 一つは、愛し合う男女間での「性行為」としてのセックス。もう一つは、悪意や害意を持っていないことを知らせる意味での「スキンシップ」としてのセックス。

 性欲がなくては成立しないことは同じだが、前者が放っておいても頻繁に行われるのに対して、後者はコンスタントにすることを双方が心がけ、様々な工夫を凝らさないと続きにくい。

 ほとんどの夫婦の新婚時代は、前者の要素しかない。男性の性欲はストレートに発揮され、女性はそれを喜んで受け入れる。多くの女性たちにとって、性的な喜びは征服されることの喜びと同意だからだ。

 結婚してから時が経ち、子どもが生まれたりもして、夫婦生活を通して、相手がどんな人間であるかがわかってくる。伴侶としては悪くない相手だと思っても、異性としての魅力は感じなくなっていく。

 それからは、お互いを嫌っていないこと、夫婦として今後も一緒に生きてゆくという意思の確認を、肌の触れ合いを通じてするようになる。それが、後者としてのセックスである。