2012年7月24日火曜日

妻にとっての変態行為

 自分が感じているのが変態性欲だと思う時、それを妻に対してぶつけるのは難しい。軽蔑されたくないというより、軽蔑された状態で夫婦生活を続けることが耐えられないから。

 当たり前の話だが、夫婦はセックスをするだけの間柄ではない。むしろ、それ以外の要素の方が大きい。生活力やコミュニケーション能力、性格の相性などが共同生活の成否を決める。

 そして、人は夫婦関係を核として家庭を築く。子どもを儲ければ、父としての立場も生まれる。総体的に最もくつろげるのはなるほど自宅だが、我が家にいるからこそ気を張っている部分もある。

 その意味で、妻に変態だと思われることのダメージは大きい。どこまでがノーマルで、どこからがアブノーマルかは、時代や人や持って行き方によって違うだろうが、危険は冒せない。

 なので、ジャブを打ってみることになるが、軽く要求しただけで「あなたって変」という反応を示されると、この女性にそれを求めちゃいけないんだと感じてしまい、相手が拒んだ変態行為を封印することになる。

 私の場合、サディズム(特に、裸の女性を磔にする)と野外露出(自分がするのではなく、女性をさせる)の性的嗜好が強いという自覚が以前からあった。しかし、妻にそれをぶつけることは出来なかった。

2012年7月5日木曜日

妻がセックスを求めた夜

 妻が女を捨てたというのは、あるいは言い過ぎかもしれない。結婚当時から、妻はセックスに対して淡白なところがある女だった。

 子づくりのためのセックスは、排卵周期を考えながら数日間続けてしたことはあったが、新婚当時から営みは週1くらいで、それが二週に一度、月一になるのに数年しか掛からなかった。

 セックスすれば、一応は毎回達する。私がそうなるように頑張っているのもあるが、感度がそれほど悪い訳ではない。そして、夜の営み以外の夫婦仲は一貫していい。

 妻が自分から求めるということは、皆無に近い。十年以上前に、ある誤解から私の浮気を疑った妻が、深夜に抱いて欲しいと迫ってきたことが一度だけあった。

 現在の恋人と出会って深い仲になったのは、それから数年後のこと。他の女性に私を取られる危機感を抱くことで、一瞬だけ妻の仲に灯った火は、誤解が晴れるとすぐに消えてしまった。