よく知られた「結婚前には両目を大きく開いて見よ。結婚してからは片目を閉じよ」というのは、イギリスの神学者だったトーマス・フラーの言葉。
これは伴侶に対する評価は、相手を選ぶ段階では減点方式、踏み切ってからは加点方式がいいということだろう。一歩踏み込んで、自分の選択に責任をもって、その選んだ相手の良さを引き出せという意味もあるか。
とはいえ、性的嗜好の相性・同一性は、夫婦になってみなくてはわからないケースも多い。恋人同士の時には、相手に嫌われたり軽蔑されたりすることを恐れて、なかなか地が出せないものだから。
社会的にも、セックスに関する話題は避けられる傾向にある。日本においては、家庭の中でセックスに関する話題がオープンに話し合われることは、ほとんどない。
それは、触れてはならない話題であり、男も女もセクシーな異性や性行為に対して関心が高いことは、恥ずかしいことだという風潮がある。
相手を見極めるには、両目を大きく開くだけでは不十分で、体全体を使わなくては分からないことが多い。視覚情報からの類推は可能だが、それにはやはり限界がある。